賃上げ促進税制の繰越控除制度とその留意点
こんにちは!大田区クラウド経理代行オフィスです!賃上げ促進税制に関して、多くの中小企業経営者の方が関心を持っていると思いますが、その繰越控除制度についてご存じでしょうか。特に、賃上げ促進税制の控除限度額を超えた場合に繰越控除が適用されることや、その適用要件については、まだ認識が不足している方も多いかもしれません。
この記事では、中小企業が知っておくべき賃上げ促進税制の繰越控除制度と留意点について、具体的な要件や活用方法を解説します。この記事を読むことで、賃上げ促進税制の繰越控除制度を正しく理解し、企業の税務申告に活用できるようになります。
この記事は、主に中小企業経営者や税務担当者の方に向けて書かれており、賃上げ促進税制の制度を最大限に活用したいと考えている方にお読みいただきたい内容です。
賃上げ促進税制の繰越控除制度
賃上げ促進税制では、雇用者給与等支給額が前期雇用者給与等支給額を超えた場合、その超過額に基づいて最高45%の税額控除を受けることができます。しかし、控除額が法人税額の20%を超える場合、その超過額については従来は控除できませんでした。今年の税制改正では、中小企業に限り、控除限度額を超えた分について、5年間の繰越控除が可能になりました。
この繰越控除制度は、黒字化した年に適用できるため、赤字やゼロ申告となっている年でも、後の黒字年で控除を活用できるメリットがあります。繰越控除を活用するためには、賃上げ促進税制の別表を提出し続ける必要がありますので、申告時には必ず別表を添付することが求められます。
繰越控除制度の適用要件
繰越控除制度を活用するには、賃上げ促進税制の別表を作成・提出することが必要です。たとえゼロ申告となる年でも、賃上げ促進税制の控除対象となる年には、別表を提出し続けることが重要です。控除限度額を超える金額が発生している場合、後の黒字年度に控除を受けるためにも、この別表の添付は欠かせません。
もし添付を忘れてしまうと、後日税額控除を受けられなくなる可能性があり、税理士に対する損害賠償請求などのリスクも生じるため、十分に注意が必要です。
認定制度の上乗せ要件
賃上げ促進税制には、さらに5%の上乗せ税額控除を受けられる要件として、「くるみん」「えるぼし」認定があります。「くるみん」とは、仕事と家庭の両立支援を目的とする次世代育成支援対策推進法に基づく認定制度で、「えるぼし」は女性の活躍を推進するための認定制度です。これらの認定を受けた企業は、賃上げ促進税制の上乗せ控除を受けることができます。
プラチナくるみんやプラチナえるぼしといった最上級の認定を受けた場合、毎年の適用要件を満たしますが、通常のくるみんやえるぼしの場合は、認定を受けた年のみ適用されます。
まとめ
賃上げ促進税制の繰越控除制度は、中小企業にとって非常に有益な制度であり、税額控除限度額を超えた部分を5年間繰り越して控除できる点が大きな特徴です。また、ゼロ申告の年でも別表の提出を怠らないようにし、賃上げ促進税制を最大限に活用することが重要です。
気になる方は是非、お気軽にご連絡ください。