還付金と納税額の充当で資金繰りを改善する方法とは?法人・個人別に解説
こんにちは!大田区クラウド経理代行オフィスです!
確定申告を行う際に、「法人税や消費税の納付と還付が同時に発生した場合、どう処理すればいいのか?」という疑問を抱く方は少なくありません。
特に、納税資金のやりくりに頭を悩ませている中小企業の経営者や個人事業主の方々にとって、税金の納付タイミングは非常に重要な経営判断のひとつになりますよね。
この記事では、還付と納税が混在する場合の対処方法として、還付金を納税額に「充当」するという制度の概要と注意点を分かりやすく解説します。
この記事を読むことで、以下のことが分かります:
- 法人・個人それぞれの確定申告と納付の基本ルール
- 還付金と未納税額を相殺する「充当」制度の仕組み
- 税務署に確実に充当してもらうための具体的な手続き方法
この記事は、資金繰りの観点から税金の納付計画を立てたい経営者や個人事業主、経理担当者の方にぜひ読んでいただきたい内容です。
法人と個人で異なる申告と納付の期限
法人の確定申告においては、法人税と消費税の申告期限は原則として同じです。
ただし、消費税に関しては「延長特例申請」の有無により異なる場合があります。
一方で、個人事業主の場合は期限が異なります。
所得税の申告期限は 3月15日、消費税の申告期限は 3月31日 です。
いずれも、「法定申告期限=法定納期限」となっており、この期限内に税金の納付を完了しなければなりません。
還付金を納税に充てるという選択肢
たとえば、法人税が還付となり、消費税が納付となるようなケースが考えられます。
このような場合、還付となる申告書を早めに提出して、還付金が入金されるのを待ち、その還付金で消費税の納税を行うという流れを検討する方も多いでしょう。
これは資金繰りの工夫として有効ですが、実際には税務署側の事務処理スピードに依存するため、還付金がいつ振り込まれるかは予測ができません。
私自身も顧問先から「還付金を使って納税できるか?」と相談を受けたことがありますが、「日付の確約はできない」というのが実情です。
そのため、確実に充当してもらいたい場合は次の制度を利用することになります。
国税通則法に基づく「充当」の仕組み
還付金を未納税額に充てることは、実は法律で定められたルールでもあります。
国税通則法では、「還付を受けるべき者に納付すべき国税があるときは、還付金をその納税額に充当しなければならない」と明記されています。
つまり、一定の条件を満たせば、自動的に充当が行われる仕組みです。
ただし、この「充当」が機能するには、次の2つの条件を満たす必要があります:
- 還付金が発生している
- 納税義務が確定しており、法定納期限が到来している(=充当適状)
このため、2つの申告書を同じタイミングで提出することがポイントになります。
たとえば、消費税と法人税を同じ日に提出すれば、条件を満たし、還付金で納税額が自動的に相殺される可能性が高くなります。
還付と納付の充当を確実に行う「充当申出書」とは?
とはいえ、現実には税務署の内部処理で充当が見落とされてしまうケースも存在します。
その結果、本来は還付金で相殺できるはずの納税が未納として扱われることも。
そうしたトラブルを防ぐために有効なのが、「国税充当申出書」の提出です。
この申出書には特定のフォーマットは定められていませんが、以下のような内容を記載して、税務署長宛に提出します。
- 充当を希望する旨の意思表示
- 還付金と納税額の種類・金額
- 申告書の提出日や税目の詳細
この申出書を申告書と同時に提出することで、申出日が「充当適状日」として認定され、確実に充当が行われることになります。
実際、私が支援した法人のお客様で、この申出書を提出したことで、未納通知を回避できた事例もありました。
また、充当が正式に行われた場合には、税務署長から充当通知書が送付されることになっており、これは強制的な充当でも申出による充当でも同様です。
まとめ
法人や個人事業主にとって、還付と納税が同時に発生した場合の対応は資金繰りに大きな影響を与えます。こうした場面では、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 法人税と消費税では申告・納付期限が異なる
- 還付金を納税額に充てることは法律上認められている
- 確実に充当してもらうには「国税充当申出書」の提出が効果的
納税資金のやりくりに不安がある場合は、ぜひこの「充当」制度を活用してみてください。
気になる方は是非、お気軽にご連絡ください。
参考
1.国税通則法 第五章 国税の還付及び還付加算金 (56条還付、57条充当)
https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000066#Mp-Ch_5
2.国税通則法基本通達57条関係充当6(充当適状前の充当)
6 還付を受けるべき者から還付金等につき充当適状前の国税(納付すべき額が確定しているものに限る。)に充当の申出があったときは、その申出の日を充当適状日として充当するものとする。この場合における充当の申出は、書面により行わせるものとする。
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/tsusoku/05/01/57.htm#a-06


